いちまつのふあん

いちまつの不安 / いちまつのファン

或るホテルでの出来事

目覚めると見覚えのないところに居た。 同室に泊まっているはずの友人に電話し、落ち合うまでの道中泥酔して抜け落ちた記憶の糸を手繰るが引き寄せることが出来ず。

友人に会うなり「いや~、昨晩のいっちはすごかったね~!!まさか人前であんなことするなんて……。」と意味深長に言い放たれた。彼の表情は、笑顔の奥にやや困惑したような様子が見て取れた。 そんな顔を見ていると自分が何をしたのか不安になり、 「ねぇ!!俺は何をしたの!?記憶がないんだけど!!」と彼に詰め寄る。 彼は「ホテルに行けば分かるよ……。」と言い、 それ以上答える様子もないので、しぶしぶホテルに向かうことにした。

ホテルに到着し、友人に案内された部屋のドアを開けると、 そこにはひどい寝相で熟睡している男女が数名居た。 しかし未だに自分が何をしでかしたのか思い出せず友人の顔を覗き込むと、部屋の隅にあるテレビ台を指さした。 暗くてよく見えないが目を凝らすとテレビ台の下に大小まばらな3つほどの塊があることに気付いた。 更に目を凝らしよく見てみるとそれはなんと!! 人糞だったのだ!! (まさか……)と思い再び彼の顔色を伺うと、
頷きながら「そう……あれはいっちのうんこ……。まさかみんなの前でうんこしだすとは思わなかったよ……」

「あ゛……!!あ゛…あ゛!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああああ~~~~~~~!!」
僕は奇声を上げ、「誰も触れられないから片付けてネ……」と話しかけた友人の声を遮り、蘇ってきた昨晩の記憶を思い出す。 しかし、蘇ってきた記憶は、テレビ台の前にしゃがみ込んで友人たちに話しかけながら、誰も期待も予想もしていないであろう排便する自分の姿である。
居た堪れなくなった僕は走り出した。


興奮状態のまま目が覚めた。未だかつてない最悪な目覚めである。 人前でうんこをしたいちまつは居ない。 安心感を覚えるとともに、なぜこんなひどい夢を見たのか寝起きで働かない頭を使って考えてみる。 恐らく中に注入するタイプの痔の薬の所為だろう。 お酒の飲みすぎには注意しよう、こんな悲劇を実現させないために……。 そんなことを考えながら再び眠りに就く午前2時。